このブログのテーマ、私の提訴している、フィリピンでの訴訟…。
異国の地で、異国の法律のもと訴訟を起こす…とても困難な道筋です。
今回のフランチャイズビジネスによる詐欺に巻き込まれて、老後の資金を、騙し取られたとき、絶望のどん底に叩き落されました。
40年近く勤め上げたサラリーマン生活で、倹約と努力で蓄えた資産を、一瞬にして奪われてしまったのですから…。
実は、この問題が発覚した頃、あまりの絶望に「不安神経症」(うつ病?)になってしまいました。
メンタルには自信のあった私も、さすがにこの一件には参りました。
寝られない日々が続き、時々、急な不安感に襲われ、呼吸が苦しくなり動悸が激しくなります。
家から、出られない日々が続きました。
医者からは、大量の薬も処方されます。
そして、あわや取り返しのつかないことに…なる寸前でした。
日本の高度成長期を支え、仕事に邁進してきた私たち世代は『戦うサラリーマン』です。
常に自分を鼓舞して、人生を送ってきました。
普通のことには、めげません。
しかし、心から信頼した人物に、裏切られたことには、完全に心が折れました。
私は、定年を迎えたからと言って、南の島でリゾート三昧…。
のんびり余生を過ごそうとは考えませんでした。
常に、チャレンジャーでありたい…。
そんな時に出会った『感動と奇跡の起業物語』に触発されます。
一人の日本人が異国で挑む奇跡への挑戦!に、共感しうち震えました。
そして、その挑戦に、自身の人生のスキルが役立てれば…と思い込んでしまったのです。
『ハッピークリームパフ 感動と奇跡のフィリピン・シュークリーム起業物語』
(https://ameblo.jp/happycreampuff)
熱帯の国フィリピンで、“未知の”生洋菓子であるシュークリームを普及させることは不可能だと思いますか?
日本人がたった一人でその大事業に臨むことは無謀ですか?
不可能で無謀だからこそ、挑戦する価値があります。
誰かがやらなければ、その偉大な事業は永遠に日の目を見ることはありません。
そして、何事もやってみるまでは、できるかできないかは解りません。
私は、現地に訪れその夢への挑戦者Yさんに会い親交を結び、事業の様子を見聞きしてきました。
10年もかけ、地道にコツコツと事業を拡大している姿を見ました。
彼のブログに紹介されているままの姿でした。(感動!)
しかし、そこには大きな勘違いが…
人の考えは、不変ではありませんでした…
誰かからの、不適切なアドバイスがあったのか、事業拡大に焦ったのか、Yさんは、今までの愚直に進めていた事業を一気に拡大しようとして失敗していたのです。
そして、それを打開するために…との、デブチン(仮名:タガログ語訳=タバチン)さんからの、アドバイスが最悪でした。
状況は、常に変化しているのです。
そして、私の感動したこの事業は、大きく変節していたのです。
今までの私の知る、ハッピークリームパフではなくなっていたことには考えも及びませんでした。
そして、仕組まれた罠にはまりました。
騙され、大切な老後の資金を奪われた私は、不安神経症に病む中考えます。
このままやられたままで、いいのか…?
友人は、「運が悪かったね…」
そして、「お金は、まず戻らないからあきらめた方が良い…」
「これ以上、追いかけても、ムダ金が出ていくだけ…」
…と、損切を勧め、泣き寝入りの道を、アドバイスします。
よく世間では言われます。
「騙されたほうが悪い…!」
本当に、そうなんでしょうか?
被害者が悪いのでしょうか?
騙したほうが、悪いに決まっています。
被害者の泣き寝入りで、騙した奴らが、高笑い…⁇
それでいいのでしょうか?
お金よりも大切なものもあります。
自分の生きざま…!
自分のプライド…!
それは、とても大切です。
『生涯をかけて、私を騙した奴らを追い詰める!』
その結論に達しました。
私は、病のためか弱気になる気持ちを奮い立たせ闘うことを決意しました。
以前は『戦うサラリーマン』でしたから…(笑)
(そのおかげか、この挑戦を始めてから、不安神経症は、改善し、今やほぼ完治してしまいました。驚‼ )
戦う方法は、いろいろ考えます。
家内の実家は、公設市場のベンダーです。
そこの仲間たちは、気の荒い人達が多くいて、そのアドバイスも過激です。
「リベンジは、簡単!死んでもらうより、少しばかり痛い目にあってもらい、生涯自分らがやったことを後悔するような、障害を残してやればいい」…と
特に、食肉関係の仲間は、過激な言動…。
自ら名乗り出る始末です。
もちろん冗談なのでしょうが…(笑)
邦人同士が、異国の地でイリーガルな方法で傷つけあう…?
そんなことは、私の意にするところでありません。
そして、考えます…
たどり着いたのが、まずは司直の手にゆだねること。
(市場の仲間にゆだねるのは、最後です…冗談です)
まずは、日本の警察の相談窓口に向かいます。
当時の警察は、まだ今の様に詐欺犯罪に、あまり敏感に反応しくれないようでした。
「海外の犯罪の実証は難しい…」とか、
「民事として弁護士に相談したら?」
「せめて、現地での判決や処罰があれば、取り上げる…」とか言って本腰にはなりません。
後で知りましたが、直接警察に相談はダメですね…
警察を動かすには、弁護士やNPO、民間の被害者の会などを通じて…と、しかるべき方法があるのだそうです。
(日本では、警察にコネがあってもダメみたいですよ。笑)
次に、日本の国際弁護士に相談してみました。
フィリピン関係は、主に、ビサや不法滞在、結婚や離婚調停がメインの仕事で、事件の裁判は、現地の提携する弁護士を紹介するだけだとか…
何軒かの弁護士事務所に問い合わせましたが、皆そんなものです。
そんな時、家内の実家の母が、企業事件のスペシャリストの現地弁護士事務所を紹介してきます。
義母は、フィリピンでは、だれもが知る有名な政治家の縁者…。
そのツテで、普段は出合えないような弁護士につながりました。
(フィリピンでは、コネが有効ですね 笑)
多くの大手企業の顧問弁護士を務め、企業間の契約問題を専門に扱う事務所です。
当然、訴訟には負け知らずだと…
(負ける案件は、引き受けないから…と弁護士は笑っていましたが、冗談でしょう…)
さすがに、高名な弁護士本人は依頼料も高いので、そこの事務所の若い弁護士が担当になりましたが、但し事務所として全面サポートの体制です。
イチもニもなく私は、その話に乗りました。
ここで、私の知ったフィリピンの弁護士事情をご紹介しましょう。
フィリピンは、アメリカの影響なのか、契約と訴訟の社会です。
庶民の生活の中には、いまだ口約束や個人の信用なども色濃く残りますが、やはり契約書の存在が幅を効かせます。
昨今は、安アパートの賃貸まで、契約書の存在が必要となっているようです。
そして、正式な契約書には、必ず弁護士のサインが必要となります。
日本でいう、弁理士、公証人、司法書士の類の仕事も、全て弁護士が行います。
ですから弁護士も、かなりのレベル差があって、街の代書屋の様な事務所から、高級ビルにオフィスを構える様な事務所まで、いろいろです。
そして、裁判の判決は弁護士の能力で決まる…。
どこの国でも同じでしょうが、フィリピンでは圧倒的です。
ちなみに、ハッピークリームパフでは、フランチャイズで多店舗化を目指しているにも拘らず、弁護士を介在させることなく話を進めていたようです。
(意図的に?でしょうか…)
私の場合、当初より契約に弁護士の介在を求めました。
初めにその契約内容の精査に、公設市場の商業関係の事案を請けている(クラスでいえばミドルクラス)弁護士をお願いして、契約書の整合性を取ってあったことが、今回の訴訟に有利に働きました。
それでも、他人様を騙そうとする輩は、騙してくるんですね。
(ハナから、契約を履行する気はないのですから…笑)
今回の事案でいろいろなフィリピンの弁護士を見てきました。
契約書の精査に、ミドルクラス…(まあ、一般的なビジネス弁護士)
ハッピークリームパフがフランチャイズ契約に使う街角の弁護士…(代書屋レベルですか?)
企業詐欺事件にかかわる、アッパークラスの弁護士…(服装も、オフィスは勿論、その案件への取り組みもハンパありません。)
英語、タガログ語のできない私としては、できれば日本語の堪能な弁護士を求めましたが、その専門性から、国際結婚や離婚調停専門の事務所はともかく、今回の様な事案のスペシャリストには、難しい要求のようです。
餅は餅屋…今回は、通訳と証拠の翻訳は、弁護士事務所の用意した翻訳家が大いに活躍します。
今回のブログ記事では、フィリピンで提訴するまでの動機と、訴訟を起こすための弁護士事情を紹介しました。
提訴には、何より、自身の信念は当たり前ですが、家内や身内からの、信頼と全面サポートがあるからと感謝しています。
今後は、折を見て、何故この案件が、詐欺なのか…。
裁判でCriminalCase(刑事事件)として起訴されたのか…。
その実態を、ご紹介していきます。
乞う…ご期待!
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